2009年6月新譜 5点 発売中 ★DSD録音
78CDR-3199
ハイドン:ピアノ三重奏曲第39番ト長調作品73-2, Hob.XV-25
アルフレッド・コルトー(ピアノ)
ジャック・ティボー(ヴァイオリン)
パブロ・カザルス(チェロ)
英 HIS MASTER'S VOICE DA895/6
(1927年6月6日ロンドン、キングズウェイ・ホール録音)
この3人の中の最年長者パブロ・カザルス(1876-1973)の名前を冠したカザルス・トリオは1905頃から活動をはじめた。アルフレッド・コルトー(1877-1962)のもとに、ジャック・ティボー(1880-1953)とカザルスが集まって自然発生的に生まれた室内楽グループでクラシック史上最高の顔合わせ。レコード録音が行われた時点まで約20年の歳月をかけて音楽を熟成させた。3人の奏でるすべての音、すべてのフレーズが聴き手に感動を与える。このシリーズではベートーヴェンの「大公トリオ」(78CDR-3009)、シューベルトの作品99(78CDR-1131)が出ている。
78CDR-3200
J.S.バッハ:
「シャコンヌ」- 無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番 BWV 1004より
巌本真理(ヴァイオリン)
日本コロムビア G30/1
(1949年頃録音)
巌本真理(1926-1979)は東京に生まれ、6歳からヴァイオリンを始め、優れた教師であった小野アンナ(1898-1979)に師事した。1937年12歳の時、第6回日本音楽コンクールで第1位。1939年にデビューリサイタルを開いた。1946年から5年間東京音楽学校の教授を務めた後1951年に渡米、ジュリアード音楽院でルイス・パーシンガー(1887-1967)、ジョルジュ・エネスコ(1881-1955)に師事し、ニューヨークのタウンホールでリサイタルを開いた。翌年帰国後ソロ奏者として精力的に活躍する一方、1964年から巌本真理弦楽四重奏団を結成して活躍した。この録音は戦後間もなくの東京音楽学校教授時代のもの。SPレコードのたいへん貴重な記録である。同じ頃ルクー:ヴァイオリン・ソナタ(日本コロムビア)も録音していた。
78CDR-3201
フランク:ヴァイオリン・ソナタイ長調
アルフレッド・デュボワ(ヴァイオリン)
マルセル・マース(ピアノ)
米 COLUMBIA 67928/31(仏 COLUMBIA LFX77/80と同一録音)
(1930年5月8日パリ録音)
※トラック1(第1面)のみ、盤質不良のためノイズ処理を行なっています。
アルフレッド・デュボワ(1898-1948)はアルテュール・グリュミオー(1921-1975)の師として知られている。ウジェーヌ・イザイ(1858-1931)に師事したデュボワは1920年にヴュータン賞を得た。ソリストとして活躍し、ピアニストのマルセル・マースとのデュオは評判をとった。1927年にブリュッセルの王立音楽院の教授に就任し、ピアノ三重奏団や弦楽四重奏団のリーダーとしても活躍した。このシリーズではヴュータン:ヴァイオリン協奏曲第5番(78CDR-3013)、モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第6番(78CDR-1054)が出ている。
78CDR-3202
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第8番ハ短調作品13「悲愴」
エトヴィン・フィッシャー(ピアノ)
英 HIS MASTER'S VOICE DB3666/7
(1938年11月7&8日ロンドン、アビー・ロード第3スタジオ録音)
エトヴィン・フィッシャー(1886-1960)はスイスのピアニスト。バーゼル音楽院で学んだ後、ベルリンに出てリスト(1811-86)の高弟マルティン・クラウゼ(1853-1918)に師事した。1930年ベルリン高等音楽院の教授になり、一方演奏家としても活躍した。1942年スイスに戻り、ソロ活動に加えヴァイオリンのクーレンカンプ(1898-11948)、後にヴォルフガング・シュナイダーハン(1915-90)、チェロのマイナルディ(1897-1976)とフィッシャー・トリオを結成した。フィッシャーは本シリーズでベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第31番作品110(78CDR-1106)、J.S.バッハ:平均律クラヴィーア曲集(78CDR-1142-1146分売)が出ている。
78CDR-3203
モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ第34番変ロ長調 K.378(317d)
マジョリー・ヘイワード(ヴァイオリン)
ユナ・ボーン(ピアノ)
英 HIS MASTER'S VOICE C1247/8
(1925年11月11日&12月10日録音)
女流奏者によるモーツァルト。マジョリー・ヘイワード(1885-1953)はイギリスの女流ヴァイオリニスト、ヴィルトゥオーゾ弦楽四重奏団のリーダー。1920年代に英HIS MASTER'S VOICEにベートーヴェンの弦楽四重奏曲第6番、第8番「ラズモフスキー第2番」、第9番「ラズモフスキー第3番」、や二重奏では「クロイツェル・ソナタ」の録音があった。ピアノのユナ・ボーン(1882-1974)はオーストラリアのメルボルン生まれ。第1次世界大戦(1914-1918)中には同郷の大ソプラノ歌手、ネリー・メルバのピアニストをつとめた。この名曲の世界初録音で電気録音最初期のもの。 |