2010年2月新譜 5点 発売中 ★DSD録音
78CDR-3239 
チャイコフスキー:交響曲第6番ロ短調作品74「悲愴」
シャルル・ミュンシュ指揮
パリ音楽院管弦楽団
英 DECCA AK1968/73
(1948年 5月22-23日パリ,サル・ド・ラ・ミュチュアリテ録音)
英国デッカのffrr録音。シャルル・ミュンシュ (1891-1968)はストラスブールの生まれ。生地の音楽院でオルガンを学んだ後、パリ音楽院でリュシアン・カペー(1873-1928)にヴァイオリンを学び、その後ベルリンでカール・フレッシュ(1873-1928)に師事した。1926年ライプツィヒ音楽院の教授に就任、1925年から32年にはゲヴァントハウス管弦楽団のソロ第一ヴァイオリン奏者もつとめ、ブルーノ・ワルター
(1876-1962)やヴィルヘルム・フルトヴェングラー(1886-1954)のもとで演奏し、指揮法も身につけた。パリに戻り1935年から38年にはパリ・フィルハーモニーの指揮者、1938年にはエコール・ノルマルのヴァイオリン科教授に任命された。1938年から45年にパリ音楽院管弦楽団指揮者をつとめた。1939年には同音楽院の指揮科教授に任命された。1949年にボストン交響楽団の正指揮者となり1962年までつとめた。この録音はデッカ社の録音クルーがパリに赴いてのもの。オーケストラの各パートに音楽院の教授達の名人芸が聴こえる。コンデンサー・マイクロフォン独特の高域の輝きがffrrの特長である。ミュンシュ&パリ音楽院はラヴェル:ボレロ(78CDR-1164)
が出ている。
78CDR-3240 
ニールセン:ヴァイオリン・ソナタ第1番イ長調作品9
エミール・テルマニー(ヴァイオリン)
クリスチャン・クリスチャンセン(ピアノ)
英 HIS MASTER'S VOICE DB2732/4
(1935年10月13日録音)
カール・ニールセン (1865-1931)は北欧デンマークを代表する作曲家。これは1895年の作品。ヴィオリンのエミール・テルマニー(1892-1988)はハンガリー生まれ。ブダペスト音楽院でイェノ・フバイ(1858-1937)に師事した。1919年来デンマークのコペンハーゲンに在住し、ニールセンの娘婿となった。テルマニーの美音は一度聴くと忘れられない魅力がある。このシリーズでメンデルスーン:ヴァイオリン協奏曲(78CDR-3087)
が出ている。
78CDR-3241 
ヴィターリ(レスピーギ編):シャコンヌ ト短調
ジョコンダ・デ・ヴィトー(ヴァイオリン)
アルベルト・エレーデ指揮
フィルハーモニア管弦楽団
ハーバート・ドーソン(オルガン)
英 HIS MASTER'S VOICE DB6936/7
(1948年5月14 & 29日ロンドン、アビー・ロード第1スタジオ録音)
レスピーギ(1879-1936)によるオルガン入りの壮麗なオーケストレーション。ジョコンダ・デ・ヴィトー(1907-1994)はイタリアの女流奏者。11歳でペサロ音楽院に入り、レミ・プリンチーペ(1899-1977)に師事した。1932年にウィーン国際ヴァイリン・コンクールで一等賞をとった。1935年イタリアPARLOPHONEにJ.S.バッハのブランデンブルグ協奏曲第5番(アリーゴ・タッシナーリ/fl,カルロ・ゼッキ/pf,プレヴィターリ/cond.)
と共にを録音したのが初レコーディング。1941年にはベルリンでブラームスのヴァイオリン協奏曲をドイツPOLYDORに録音(78CDR-1174)
した。第2次世界大戦後の1948年ロンドンにデビューしEMIのアーティストになり、SPレコードと初期のLPに優れた録音を残した。指揮者のアルベルト・エレーデ(1909-2001)はイタリアのジェノア生まれ。ミラノで学んだ後スイスでワインガルトナー、ドレスデンでフリッツ・ブッシュのアシスタントをつとめた。戦後ロンドンのニュー・ロンドン・オペラ団の指揮者になり、ニューヨークのメトロポリタン歌劇場でも指揮をした。1968年バイロイトで「ローエングリン」を指揮した。トスカニーニ以来バイロイトに登場した二人目のイタリア人指揮者だった。
78CDR-3242 
シューマン:ピアノ四重奏曲変ホ長調作品47
ホルテンス・モナート(ピアノ)
コーリッシュ弦楽四重奏団のメンバー:
ルドルフ・コーリッシュ(ヴァイオリン)
オイゲン・レーネル(ヴィオラ)
ベナール・ハイフェッツ(チェロ)
英 HIS MASTER'S VOICE DB3642/4 (米 VICTOR 14816/8 と同一録音)
(1937年11月26日録音)
ホルテンス・モナート(1905-1955)はアメリカ生まれの女流ピアニスト。アルトゥール・シュナーベルに師事し、トスカニーニ指揮NBC交響楽団のソリストに迎えられた最初の女性ピアニストだった。コーリッシュ弦楽四重奏団は新ウィーン楽派の音楽を演奏するためにルドルフ・コーリッシュ(1896-1978)によって1921年に組織された。シェーンベルグの指導を受けた後、現代音楽だけでなく古典音楽にも目を向けた。ナチスに追われてアメリカに移住し活動を続けたが1942年に解散した。このシリーズにはモーツァルト:弦楽四重奏曲第22番
K.589「プロシャ王第2番(78CDR-3197)が出ている。これは聴く者の心をを幸せにしてくれる名曲の名演奏である。
78CDR-3243
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第5番イ長調 K.219
(カデンツァ: J.ヨアヒム)
タルティーニ:ヴァイオリン・ソナタ第12番ト長調作品2よりアリア
アドルフ・ブッシュ(ヴァイオリン)
ブッシュ室内管弦楽団
米 COLUMBIA 71749/52-D
(1945年 4月30日=モーツァルト, 5月 3日=タルティーニ, ニューヨーク)
アドルフ・ブッシュ (1891-1952)はドイツの大ヴァイオリニスト。1922年からピアニストのルドルフ・ゼルキン (1903-1991)とデュオを組んで活躍した。1936年ゼルキンはブッシュの娘イレーネと結婚したが、ゼルキンはナチスのユダヤ人迫害を避けてアメリカに逃れた。その後ブッシュもドイツを去ってスイスに移住、1939年実弟でチェリストのヘルマン・ブッシュと共にアメリカに定住した。この録音は第2次世界大戦最末期の録音。ブッシュの協奏曲はJ.S.バッハ:
ヴァイオリン協奏曲第2番 BWV.1042(78CDR-3216),二つのヴァイオリンのための協奏曲 BWV.1043(78CDR-3235)
が出ている。 |