2010年6月新譜 5点 発売中 ★DSD録音
78CDR-3259
ベートーヴェン:
交響曲第6番ヘ長調作品68「田園」
アテネの廃墟作品113 より「トルコ行進曲」
ポール・パレー指揮
コロンヌ管弦楽団
英 COLUMBIA DCX 63/7
(1934年5月23&25日パリ録音)
ポール・パレー(1886-1979)はフランスの大指揮者、作曲家。1911年にカンタータ「ヤニッツァ」でローマ大賞を得てイタリアに留学。第1次世界大戦(1914-1918)でフランス軍に従軍したが、ドイツ軍の捕虜となり、ダルムシュタット収容所生活の間に音楽家たちと交友を築く。大戦後コンセール・ラムルー管弦楽団、コンセール・コロンヌ管弦楽団の指揮者となって活躍、とくに後者とは1932年から1940年音楽監督を務め、第2次世界大戦のパリ開放後の1944年から1956年も同じ地位を務めた。1951年にアメリカのデトロイト交響楽団に招かれその育成にあたり、米国有数のオーケストラに仕上げLPレコード録音も多い。この「田園」交響曲はコンセール・コロンヌ時代のものであまり知られていない。SPレコード時代の再生法では大指揮者の風格の片鱗すらも聴くことが出来なかったが、ダイレクト・トランスファーによって、その至芸の全貌が明らかになった。特にオーケストラの木管パートの妙技に耳を傾けてほしい。
78CDR-3260
ドメニコ・スカルラッティ:ハープシコード・ソナタ集 第1巻(20曲)
ワンダ・ランドフスカ(ハープシコード)
英 HIS MASTER'S VOICE DB 4960/5
(1934年9月10-12日パリ,サル・ショパン録音)
ワンダ・ランドフスカ(1879-1959)はポーランドのワルソー生まれ。20世紀最高のハープシコード奏者。1900年から13年間パリのスコラ・カントルムで教鞭
をとった。二段の鍵盤と七個のペダルを有する自分のハープシコードをパリのプレイエル社に作らせ、生涯この楽器を使用した。ドメニコ・スカルラッティ(1685-1757)は、ナポリ派の作曲家、ハープシコーソ奏者、オルガン奏者。ヴァチカンの楽長、ポルトガル宮廷礼拝堂の楽長、スペイン王妃つきの音楽指導者として活躍し、500曲を越えるハープシコード曲を作曲した。Lはロンゴによる整理番号、Kはカークパトリックによる整理番号で、便宜のため両方を記した。ランドフスカはこの第1集の後に第2集も録音した。ランドフスカはこのシリーズでJ.S.バッハ:ゴルトベルク変奏曲(78CDR-3073)、フランソワ・クープラン:クラヴサン曲集(78CDR-3081)他が出ている。
78CDR-3261
J.S.バッハ:管弦楽組曲第2番ロ短調 BWV. 1067
マルセル・モイーズ(フルート)
アドルフ・ブッシュ指揮
ブッシュ室内管弦楽団
仏 LVSM DB 3015/7(英 HIS MASTRER'S VOICE DB 3015/7と同一録音)
(1935年11月1日ロンドン、アビー・ロード第1スタジオ録音)
マルセル・モイーズ(1889-1984)は20世紀最高のフランスのフルート奏者。パリ音楽院でポール・タファネル(1844-1941)に師事し、1906年に一等賞を得た。1932年から1949年までパリ音楽院の教授をつとめる一方、パドルー管弦楽団、パリ音楽院管弦楽団、ストララム管弦楽団の首席フルート奏者をつとめた。1960年代にはスイス、イギリス、アメリカ、日本で後進の指導にあたった。アドルフ・ブッシュ(1891-1952)はドイツの名ヴァイオリニスト。1939年にアメリカに定住した。この録音はヨーロッパ時代のもので、同時期にバッハのブランデンブルグ協奏曲全6曲も録音していた。モイーズはこのシリーズでドビュッシーのフルート、ヴィオラとハープのためのソナタ(78CDR-3064)、ベートーヴェンのセレナーデ作品25(78CDR-3231)、バッハのブランデンブルグ協奏曲第4番、ピエルネの室内ソナタ(78CDR-3249)が出ている。
78CDR-3262
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第3番ト長調 K.216
ユーディ・メニューイン(ヴァイオリン)
ジョルジュ・エネスコ指揮
交響楽団
英 HIS MASTER'S VOICE DB 2729/31
(1935年12月19日パリ、アルベール・スタジオ録音)
ユーディ・メニューイン(1916-1999)はニューヨーク生まれ。サンフランシス
コに移り3歳からヴァイオリンを習いシグムンド・アンカー、ルイ・パーシンガー(1887-1966)に師事した。1924年6歳の時アルフレッド・ヘルツ(1871-1942)指揮サンフランシスコ交響楽団とラロのスペイン交響曲を弾いてデビュー、神童として評判になった。その後パリでジョルジュ・エネスコ(1881-1955)、ベルリンでアドルフ・ブッシュ(1891-1952)の手ほどきをうけた。1928年12歳で初レコード録音を行った。このモーツァルトは19歳の時の録音で、オーケストラは師のエネスコが指揮をしている。、メニューインはこのシリーズでモーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ第42番
K.526(78CDR-3026)、モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ第32番 K.376(78CDR-3037)、ヘンデル:ヴァイオリン・ソナタ第4番(78CDR-3155)、ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲(78CDR-3136)が出ている。
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ベートーヴェン:七重奏曲変ホ長調作品20
(ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス、クラリネット、バスーン
とホルンのための)
パリ・プロ・ムジカ室内グループ:
アンリ・メルケル(ヴァイオリン)、P.ラドユイ(ヴィオラ)、
アンドレ・ナヴァラ(チェロ)、H.モロー(コントラバス)、
ユリス・ドレクリューズ(クラリネット)、J.ルーシェ(バスーン)、
G.クルシエル(ホルン)
仏 POLYDOR 566 270/3
(1948年4月15日パリ録音)
この録音は第2次世界大戦後、当時パリ音楽院の教授をつとめていた器楽奏者によるパリ・プロムジカ室内グループによる。ヴァイオリンのアンリ・メルケル(1897-1969)、チェロのアンドレ・ナヴァラ(1911-1988)、クラリネットのユリス・ドレクリューズ(1907-1995)などの名手が参加し、彼らは他にも多くの名録音を残している。1948年の録音はSPレコード末期のためレコードの数が少ない稀少盤。このシリーズでヴァイオリンのメルケルはベートーヴェンのヴァイオリオン協奏曲(78CDR-3020)、ラロのスペイン交響曲(78CDR-3107)、サン=サーンスのヴァイオリン協奏曲第3番(78CDR-3166)が、チェロのアンドレ・ナヴァラはベートーヴェンのチェロ・ソナタ第3番(78CDR-3095)が出ている。 |