2011年9月新譜 5点 9月下旬発売予定★DSD録音
LP復刻の33CDRシリーズが加わりました。従来の78CDR-部分が33CDR-に変わり、番号の部分は3000番台を通し番号で使用いたします。
78CDR-3334
タルティーニ(クライスラー編):
ヴァイオリン・ソナタ ト短調作品6-2 「悪魔のトリル」
ナタン・ミルスタイン(ヴァイオリン)
レオポルド・ミットマン(ピアノ)
米 COLUMBIA 70552/3-D(Set MX 98)
(1938年1月31日ニューヨーク、30丁目コロンビア・スタジオ録音)
ナタン・ミルスタイン(1904-1992)はロシアのオデッサに生まれ、11歳でサンクトペテルブルク音楽院に入学、名教師レオポルド・アウアー(1845-1930)に師事した。後にピアニストのホロヴィッツ(1903-1989)と出会い一緒に演奏旅行をしたこともある。1929年にアメリカ・デビュー、1942年にアメリカ市民権を得た。これはアメリカ・コロンビアに録音を始めたごく初期のもの。このシリーズでJ.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番(78CDR-3078)、ヴィターリ:シャコンヌ(78CDR-3306)が出ている。
78CDR-3335
バルトーク:弦楽四重奏曲第4番(1928)
ギレ弦楽四重奏団
ダニエル・ギレ(第1ヴァイオリン)
ジャック・ゴロデツキ(第2ヴァイオリン)
フランク・ブリーフ(ヴィオラ)
リュシアン・ラポルト(チェロ)
米 CONCERT HALL SOCIETY Set A-8
(1947年ニューヨーク録音)
この曲の世界初録音。ダニエル・ギレ(1899-1990)はロシア生まれ。パリ音楽院でジョルジュ・エネスコとギヨーム・レミに師事し、オペラ・コミックのコンサートマスターを務めた後1941年にアメリカに移住、ギレ弦楽四重奏団を組織、1944年にアルトゥーロ・トスカニーニ指揮のNBC交響楽団に入団、1951年にコンサート・マスターとなった。1954年にはピアニストのメナヘム・プレスラーとチェロのバーナード・グリーンハウスと共にボザール三重奏団を結成した。1969年に引退し、イシドア・コーエンがそのポジションを引き継いだ。第2ヴァイオリンのジャック・ゴロデツキはブダペスト弦楽四重奏団の第2ヴァイオリン奏者を務めたこともある。チェロのリュシアン・ラポルトはパリ音楽院で一等賞を得た名手。ヴィオラのフランク・ブリーフはパリのフォンテーヌブロー音楽学校出身。4
人のメンバーはすべてパリで教育を受けた国籍の異なる音楽家である。
78CDR-3336
ベートーヴェン:大フーガ変ロ長調作品133
ブッシュ室内合奏団
アドルフ・ブッシュ(音楽監督)
米 COLUMBIA 11778/9(Set MX-221)
(1941年10月2日ニューヨーク、リーダークランツ・ホール録音)
アドルフ・ブッシュ(1891-1952)はドイツの大ヴァイオリニスト。1922年からピアニストのルドルフ・ゼルキン(1903-1991)とデュオを組んで活躍した。1936年ゼルキンはブッシュの娘イレーネと結婚したが、ゼルキンはナチスのユダヤ人迫害からアメリカに逃れた。その後ブッシュもドイツを去ってスイスに移住、1939年実弟でチェリストのヘルマン・ブッシュと共にアメリカに定住した。このシリーズでブッシュはJ.S.バッハ:ヴァイオリン協奏曲第2番(78CDR-3216)、二つのヴァイオリンのための協奏曲(78CDR-3235)、モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第5番(78CDR-3243)、他が出ている。
33CDR-3337
R.シュトラウス:
5つのピアノ小品 作品3
ピアノ・ソナタ ロ短調 作品5
アルフレッド・ブレンデル(ピアノ)
米 SOCIETY OF PARTICIPATING ARTISTS SPA-48(Mono)
(1954年録音)
この2曲の世界初録音。作曲家R.シュトラウスが1880-81年に作曲作品。当時15-6歳だった。アルフレッド・ブレンデル(1931-)は北モラヴィアのヴィーゼンベルク生まれ、オーストリアのグラーツ音楽院で学んだ。1949年ブゾーニ国際コンクールで入賞後ウィーンデビュー。その後エトヴィン・フィッシャーのマスタークラスを受講し多大な影響を受けた。この録音はブレンデルが20代の半ばにアメリカのSPAレコードに録音したもので、ほとんど知られていないもの。ここに既にブレンデルの音楽が聴ける貴重なアルバム。SPAにはもう一枚リストの「クリスマス・ツリー」(SPA-26)があった。
33CDR-3338
シェーンベルク:弦楽四重奏曲第3番作品30(1927)
プロ・アルト四重奏団
ルドルフ・コーリッシュ(第1ヴァイオリン)
アルバート・レイヒア(第2ヴァイオリン)
バーナード・ミロフスキー(ヴィオラ)
エルンスト・フリートランダー(チェロ)
米 DIAL 4(Mono)
(1950年1月24日ニューヨーク、WOR スタジオ録音)
リーダーのルドルフ・コーリッシュ(1896-1978)は作曲家シェーンベルク(1874-1951)の指導を受け1921年に弦楽四重奏団を組織した。最初はウィーン弦楽四重奏団と名乗ったが後にコーリッシュ弦楽四重奏団(1922-1939)と改称した。1944年にコーリッシュはアメリカのウィスコンシン大学に招かれ、新たに組織されたプロアルト弦楽四重奏団のリーダーとなり1967年まで務めた。この録音はコーリッシュにとって2回目の録音にあたる。第1回のARCO録音とメンバーが入れ代わっている。DIALレーベルはLP時代に登場した現代音楽を積極的に取り上げたユニークなレーベル。1950年6月号の英GRAMOPHONE誌の"アメリカ便り"
でアメリカの音楽評論家ハロルド・ショーンバーグがこのレーベルを紹介していた。 |